圧迫骨折の治療・手術|京都・長岡京の脊椎センター

「重い物を持ち上げた」「しりもちをついた」あと——あるいは思い当たる原因もないのに、背中や腰の痛みがなかなか引かない。それは背骨の圧迫骨折かもしれません。
長岡京病院 脊椎センターでは、専門医による正確な診断を土台に、まずコルセットや薬などの保存療法で痛みの緩和と骨の癒合(折れた骨がくっつくこと)を目指します。痛みが引かない(偽関節)、背骨のつぶれや曲がりが進む、神経症状が出るといった場合には、患者さんの症状の具合にあわせて、手術(椎体形成術・固定術など)で症状の改善を目指します。長岡京病院は京都・乙訓地域で充実したリハビリテーション体制を備え、治療後の回復と、次の骨折の予防を目指す骨粗しょう症の治療までを一貫してサポートしています。

  • コルセットをしても痛みがなかなか引かない
  • レントゲンで「異常なし」と言われたが痛みが続いている
  • 背中が丸くなってきた・身長が縮んだと感じる方
  • ご高齢のご家族の骨折の治療に迷われている方
秋山 典宏 医師(長岡京病院 脊椎センター長)

【担当】脊椎センター長 秋山 典宏(あきやま のりひろ)医師

日本整形外科学会認定 整形外科専門医/日本骨粗鬆症学会認定医
京都大学医学部卒業。2013年より脊椎外科を専門とし若年者の側弯症手術から高齢者の脊椎手術まで幅広い脊椎疾患の手術治療に対応しています。骨粗しょう症による背骨の骨折にも、骨の治療と手術の両面から取り組みます。

まずはセルフチェック(背中・腰の痛み)一つ以上当てはまる場合には要注意です

次のような症状はありませんか?

  • 寝返りや起き上がり・立ち上がりの瞬間に、背中や腰へ強い痛みが走る
  • 重い物を持った/しりもちをついたあとから痛みが続いている
  • はっきりした原因がないのに背中・腰が痛む(特にご高齢の方)
  • 以前より背中が丸くなった・身長が縮んだ気がする
  • レントゲンで「異常なし」と言われたが、痛みが引かない
  • (進行時)足のしびれ・力の入りにくさ、排尿・排便の変化を感じる

一つでも当てはまる方は、背骨の圧迫骨折の可能性がございます。※これは受診の目安であり、診断ではありません。特に足の力が入りにくい・排尿排便の障害がある場合は、早めの受診・ご相談をおすすめします。

圧迫骨折とは(原因・病態)

背骨の圧迫骨折(骨粗鬆症性椎体骨折)の画像。矢印の椎体がつぶれている
圧迫骨折:矢印の部分で背骨(椎体)がつぶれています

背骨は、椎体という積み木のような骨が積み重なってできています。この椎体が、上からの力に耐えられずに押しつぶされるように変形する骨折が「圧迫骨折」です。原因は大きく二つに分かれます。

  • 骨粗しょう症による圧迫骨折:加齢などで骨の強度が低下すると、しりもち・重い物を持つといったわずかな力でも折れてしまいます。はっきりしたきっかけがなく、いつの間にか折れていることもあり(いわゆる「いつのまにか骨折」)、ご高齢の女性の方に多くみられます。
  • 外傷による圧迫骨折:高いところからの転落や交通事故など、強い力が加わることで起こります。

高齢の方の骨粗しょう症性の骨折では、受傷した直後よりも、そこから数日〜1週間ほどかけて痛みが強くなっていくことがあり、寝起きや姿勢を変えるときの痛みが特徴です。

放置すると起こりうること:折れた椎体がうまくくっつかず痛みが続く(偽関節)、背骨が前に曲がってくる(脊柱後弯・腰曲がり)、一つ折れると次々に別の椎体が折れる(連鎖骨折)といった経過をたどることがあります。まれに、つぶれた骨が神経を圧迫して足の麻痺やしびれを起こすこともあります。一方で、専門医による適切な診断と治療を行うことで、痛みの改善や骨の癒合が期待できる骨折です。

正確な診断・検査(CT・レントゲン・骨密度)

背中や腰の痛みでも、原因はさまざまです(圧迫骨折のほか、筋肉や関節の痛み、脊柱管狭窄症、転移性の腫瘍など)。当センターでは、専門医による問診・神経学的診察に加え、画像検査で骨折の有無と部位・程度を正確に見極めます。

  • CT検査:16列マルチスライスCTにより、椎体のつぶれの程度や骨の状態を詳しく評価します。短時間で撮影でき、レントゲンでは分かりにくい骨折の有無や、手術の要否・術式を判断するうえで重要な検査です。遠隔読影システムを導入しており、画像診断を専門とする医師が読影診断を行っております。
  • レントゲン:椎体のつぶれや変形、背骨の並びを評価します。ただし、受傷して間もない骨折はレントゲンに写らないことがあります。
  • 骨密度検査(DXA):骨粗しょう症の有無・程度を評価します。次の骨折の予防を目指す治療の出発点になります。

「レントゲンで異常なしと言われたが痛みが続く」——そうした場合もありますので、痛みが続くときはご受診・ご相談ください。他院で撮影した画像(レントゲン・MRI等)をお持ちの方は、ご遠慮なくご持参ください。

長岡京病院 脊椎センターの治療方針

「まず保存療法、必要な方に適切な手術」が基本方針です。多くの圧迫骨折は、コルセットや薬による保存療法で癒合と痛みの軽減を目指せます。一方で、痛みが引かない・骨のつぶれや背骨の曲がりが進む場合には、手術が症状改善の選択肢になります。保存療法か手術かは、患者さんの症状・診断画像・生活背景・治療経過をふまえて、一緒に考えていきましょう。京都・乙訓地域で、長岡京病院は脊椎専門医による診断から保存療法・手術・リハビリ、さらに骨粗しょう症の治療までを一貫して行える体制を整えています。

① 保存療法(手術をしない治療)

多くの圧迫骨折では、まず手術をしない保存療法から始めます。

  • コルセット(装具):硬性または軟性のコルセットで背骨を支えることで、折れた椎体への負担を減らして癒合を促します。装着期間の目安は3〜6か月で、骨の状態により調整します。
  • 安静と生活の調整:痛みの強い時期は負担のかかる動作を控え、痛みの回復に合わせて少しずつ活動を広げていきます。
  • 薬物療法:痛みが強いと動きが悪くなり、悪循環を引き起こします。痛みを和らげる薬などを用いて疼痛コントロールを行います。
  • 骨粗しょう症の治療:骨折の背景に骨粗しょう症がある場合は、骨を強くする薬による治療を並行して行い、次の骨折の予防に取り組みます
  • リハビリテーション:痛みの回復に合わせて、筋力・体力の維持と再転倒の予防を図ります(当院はリハビリテーション科を備えています)。

② 手術が検討されるケース/急がなくてよいケース

手術を検討するのは、保存療法を続けても痛みが引かない(偽関節)、椎体のつぶれや背骨の曲がりが進む、つぶれた骨が神経を圧迫して足の麻痺・しびれ・排尿排便の障害が出ている、といった場合です。逆に、痛みが落ち着いてきて生活への支障が少なければ、手術を急ぐ必要はありません。当院は、手術のメリットとリスクの両方をご説明し、納得して選んでいただくことを大切にしています。

③ 当院で行う手術(椎体形成術・固定術)

経皮的椎体形成術(BKP)の解説図。つぶれた椎体に骨セメントを注入する
経皮的椎体形成術(BKP):つぶれた椎体を整復し、骨セメントを注入して安定させます

手術の目的は、痛みや神経症状の原因を取り除き、背骨のバランスを整えることです。

保存療法で痛みが引かない、背骨の不安定性・曲がり(後弯)が進む、つぶれた骨が神経を圧迫しているといった場合には、手術を検討します。

  • 経皮的椎体形成術(BKP):背中から細い針を刺し、つぶれた椎体の中で風船(バルーン)をふくらませて空間をつくり、そこへ医療用の骨セメントを注入して椎体を安定させる低侵襲の手術です。皮膚を大きく切開する必要がなく、術後は早期の離床を目指します。骨由来の痛みの改善が期待できます。
  • 固定術(後方固定術など):背骨の不安定性が強い場合や、曲がり(後弯)・神経症状を伴う場合に、金属製のスクリューやロッド、人工骨などを用いて背骨を安定させます。
  • 除圧術:つぶれた骨や組織が神経を圧迫している場合に、その圧迫を取り除きます。

どの方法を選ぶかは、骨折の状態・部位・患者さんの全身状態によって異なり、専門医が判断します。手術には、骨セメントの漏れ、感染・出血、神経症状、血栓症、手術した椎体の隣が新たに折れる(隣接椎骨折)などのリスクもあり、適応やリスクは診察時に個別に、ご納得いただけるまでご説明します。

手術から退院までの一般的な流れ:

  • 術前検査(血液検査・画像・全身状態の評価)と、手術の説明・同意
  • 手術(術式により麻酔・時間は異なります)
  • 術後はできるだけ早期に、入院中からリハビリを開始し、歩行・日常生活動作の回復を目指します
  • 退院後も、外来・リハビリと骨粗しょう症の治療でフォローします

※入院期間は術式・回復状況により異なります。詳しくは診察時にご説明します。

▶ 経皮的椎体形成術(PVP・BKP)について詳しく見る

④ 治りにくい骨折・他院での治療後のご相談

「コルセットを続けても痛みが取れない」「折れた骨がくっつかないと言われた(偽関節・遷延癒合)」——そうしたお悩みも多くご相談いただきます。他院での治療を否定するものではなく、「いまの痛みをどう改善するか」を一緒に考えていきましょう。まずは画像診断でこれまでの経過を拝見し、手術を含めた今後の方針を総合的にご提案させていただきます。

⑤ ご高齢の方の手術について

「高齢だから手術は無理かも」と諦める必要はありません。当センターでは、若年者から高齢者まで幅広い脊椎疾患の手術治療に対応しています。年齢だけで判断せず、患者さんの現在の全身状態や症状の強さをふまえて、リスクとメリットを丁寧にご説明いたします。長引く痛みで日常生活が制限されることを避けるためにも、身体への負担の少ない治療も含めてご提案します。当院は内科を始めとし整形外科、リハビリテーション科を併設しており、持病のある方のご相談にも対応しやすい体制を取っております。

費用について(健康保険・高額療養費)

圧迫骨折の診療・手術には、公的医療保険(健康保険)が適用されます。医療費の自己負担が高額になった場合は、高額療養費制度により、年齢や所得に応じて定められた自己負担限度額を超えた分が払い戻される場合があります。あらかじめ「限度額適用認定証」をご用意いただくと、窓口でのお支払いを自己負担限度額までにとどめられます(ご加入の医療保険の窓口=健康保険組合、市区町村の国民健康保険・後期高齢者医療の担当窓口などで手続きができます)。

※マイナ保険証をご利用の場合は、認定証がなくても限度額までのお支払いとなることがあります。制度の適用可否・金額は、加入保険や所得区分により異なりますので、ご加入の医療保険の窓口にご相談ください。入院・手術の費用の詳細は、受診時や入院窓口でご説明します。

京都・長岡京病院 脊椎センターの診療体制

  • 脊椎を専門とする医師が担当:日本整形外科学会認定 整形外科専門医、日本骨粗鬆症学会認定医の秋山 典宏 医師(2013年より脊椎外科に従事)が診断・治療を担当します。骨の治療と手術の両面から取り組めます。
  • 診断から手術・リハビリ・骨粗しょう症治療まで一貫:レントゲン・CT・骨密度検査による診断 → 保存療法 → 必要な方に手術 → リハビリ → 再骨折予防のための骨粗しょう症治療
  • 治りにくい骨折のご相談にも対応:偽関節・遷延癒合や、他院での治療後も痛みが続く方の再評価
  • 豊富な診療科を併設:脳神経内科・循環器内科・糖尿病内科、整形外科、リハビリテーション科を併設し、持病のある方にも対応しやすい体制
  • 地域連携室を設置:地域の診療所・病院からのご紹介に対応
  • 通いやすい立地:阪急「長岡天神」駅 徒歩約5分

対応エリア

長岡京病院 脊椎センターには、長岡京市・向日市・大山崎町(乙訓地域)をはじめ、京都市や大阪近郊などからご来院いただけます。かかりつけの診療所・整形外科からのご紹介にも、地域連携室が対応します。背中や腰の痛み、圧迫骨折でお悩みの方は、当センターへご受診・ご相談ください。

受診の流れ・アクセス

  • ご予約:脊椎センターは完全予約制です。ご来院前に必ずお電話でご予約ください。他院の紹介状・画像(レントゲン・MRI等)をお持ちの方は来院時にご持参ください。
  • 診察・検査:問診・神経学的診察・CT・レントゲン・骨密度検査等で診断します。
  • 治療方針のご提案:保存療法・手術のメリット/リスクをご説明し、背中・腰のお悩みを一緒に解決していきます。
病院名医療法人総心会 長岡京病院
住所〒617-0824 京都府長岡京市天神1丁目20-10
電話(予約)075-955-1151(電話受付:月〜金曜 9:00〜17:00/土曜 9:00〜12:00)
脊椎センター火曜・金曜 午前9:00〜12:00(受付開始8:00)/担当:秋山医師
※一部、学会参加や緊急手術等で外来が休診となる場合がございます。最新の担当日はお問い合わせください。
アクセス阪急京都線「長岡天神」駅 徒歩約5分/JR京都線「長岡京」駅 徒歩約15分
長岡京病院 脊椎センター 周辺地図(京都府長岡京市天神1丁目20-10)
長岡京病院(京都府長岡京市天神1丁目20-10)

よくある質問

Q. 圧迫骨折は自然に治りますか?
多くの場合、コルセットや安静などの保存療法で骨の癒合と痛みの軽減を目指します。ただし骨がうまくくっつかない(偽関節)こともあり、痛みが長引く場合は手術を検討します。まずは当院の整形外科をご受診ください。
Q. コルセットはどのくらいの期間つけますか?
骨の状態にもよりますが、3〜6か月ほどを目安に装着していただくことが多いです。骨の癒合の程度をみながら調整します。
Q. 治療せず放っておくとどうなりますか?
痛みが長引くほか、背骨が曲がってくる(腰曲がり)、別の椎体が次々に折れる(連鎖骨折)ことがあります。まれに神経が圧迫され足の麻痺が出ることもあります。特に足の力が入りにくい・排尿排便が困難な場合は、早めの受診をおすすめします。
Q. どんなときに手術が必要になりますか?
保存療法でも痛みが引かない、椎体のつぶれや背骨の曲がりが進む、神経症状(足の麻痺・しびれ・排尿排便の障害)がある場合などに手術を検討します。詳しくは診察時にご説明します。
Q. 手術をする場合、何日くらい入院しますか?
患者さんのご年齢や術式、術後の回復状況によって異なります。短い方で4日程度の入院で手術を行っています。できるだけ早期の離床(退院)とリハビリを目指していきましょう。具体的な入院期間は診察時にご説明します。
Q. レントゲンで「異常なし」と言われましたが、痛みが続きます。
受傷して間もない圧迫骨折はレントゲンに写らないことがあります。時間の経過とともに変化が現れることもありますので、痛みが続く場合はご受診・ご相談ください。
Q. 一度圧迫骨折になると、また別の背骨が折れますか?
一度骨折すると、別の椎体も折れやすくなることが知られています。当院では骨密度を評価し、骨粗しょう症の治療を行うことで次の骨折の予防に取り組みます。
Q. 高齢でも手術は受けられますか?
当院は若年者から高齢者まで幅広い脊椎疾患の手術治療に対応しています。年齢だけで判断せず、全身状態をふまえてリスクとメリットをご説明させていただきます。内科・リハビリ科を併設しており、持病のある方にも対応しやすい体制です。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
健康保険が適用されます。高額になる場合は高額療養費制度により、自己負担限度額を超えた分が払い戻される場合があります。詳細はご加入の健康保険組合またはご勤務先へご相談ください。当院でも受診時・入院窓口でご説明します。
Q. 予約は必要ですか?
はい。脊椎センターは完全予約制です。受診をご希望の方は、事前にお電話(075-955-1151)でご予約ください。

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