腰椎固定術(脊椎固定術)|京都・長岡京の脊椎センター

手術で背骨を「固定する」と言われたが、動かなくなるのではないか、後で不具合が出ないか——腰椎固定術は、ぐらついた背骨を安定させて神経への負担を減らす手術です。どんなときに必要になるのか、何が起こりうるのかを、当院で行っている術式に沿ってご説明します。

秋山 典宏 医師(長岡京病院 脊椎センター長)

【担当】脊椎センター長 秋山 典宏(あきやま のりひろ)医師

日本整形外科学会認定 整形外科専門医/日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医
1999年 京都大学医学部卒業。2013年より脊椎外科を専門として診療しています。

腰椎固定術とは

腰椎固定術は、背骨のぐらつき(不安定性)がある部分にスクリューやロッドなどの金属と、椎体のあいだに入れるケージ(人工の支え)を用いて、その部分を動かないように固定する手術です。骨がつながる(骨癒合)ことで、ぐらつきによる痛みや神経への刺激を減らすことを目指します。

神経の通り道を広げる除圧術だけでは、ぐらつきが残って症状が再び出ることがあります。そのため、除圧術と固定術を組み合わせて行うことがあります。

当院で行う固定術の種類

腰椎後方椎体間固定術

背中側からアプローチし、神経の圧迫を取り除いたうえで、椎体のあいだにケージを入れ、スクリューとロッドで固定する方法です。腰椎すべり症、腰部脊柱管狭窄症、変形性腰椎症、椎体骨折など、ぐらつきを伴う病気に対して行います。背中側の操作だけで除圧と固定の両方ができます。椎体のあいだには、手術で削り取った自分の骨を詰めたケージを入れ、骨がつながるのを助けます。骨粗鬆症がある方では、骨の強さに合わせて固定する範囲や方法を検討します。

前方からもあわせて行う固定術

背中側からの操作に加えて、お腹側からもアプローチする方法(腰椎前後方椎体固定術)です。背骨の変形が大きい場合や、後方からだけでは十分な支えが得られない場合に選択します。体への負担は大きくなるため、変形の程度と全身状態をふまえて慎重に判断します。

固定範囲の延長・インプラントの抜去

以前に固定術を受けた方で、固定した部分の隣に新たな不具合が生じた場合には、固定範囲を上下に延長する手術を行うことがあります。また、骨がしっかりつながったあとに金属が症状の原因になっている場合は、インプラントを抜去する手術や、入れ替える手術を行うこともあります。他院で手術を受けた方のご相談も承っています。詳しくは脊柱管狭窄症の再手術をご覧ください。

固定術が必要になるのはどんなときか

神経の圧迫があるだけでは、固定術の対象にはなりません。次のような、背骨のぐらつきや変形が症状に関わっている場合に検討します。

  • ・すべり症などで背骨がずれて動いている(レントゲンの前屈・後屈撮影でずれの変化が確認できる)
  • ・圧迫骨折のあと椎体がつぶれて不安定になっている
  • ・神経の通り道を広げるために骨を大きく削る必要があり、除圧だけでは背骨が不安定になる
  • ・以前の手術のあとにぐらつきや変形が進んだ

リスク・合併症(デメリット)

固定術は、体への負担が小さくない手術です。次のような合併症が起こる可能性があります。

隣接椎間障害は、固定した部分の上下の椎間に負担が集中し、後年そこに新たな症状が出るものです。偽関節は、固定した部分の骨が十分につながらず、痛みが残ったり金属がゆるんだりする状態を指します。ほかに、スクリューのゆるみや破損、出血、感染、硬膜損傷や髄液漏、しびれや麻痺などの神経症状、深部静脈血栓症が起こることがあります。

また、固定した範囲の分だけ腰の反り・曲げの動きは制限されます。日常生活で大きな支障になることは多くありませんが、床にしゃがむ動作などでやりにくさを感じることがあります。手術前には、担当医が想定される効果とリスクの両方を、ご本人とご家族に個別にご説明します。

手術で改善が期待できる状況/期待しにくい状況

神経の圧迫によるしびれや歩きにくさ、ぐらつきに伴って動いたときに強くなる痛みは、固定によって改善が期待できます。一方、長年の変形に伴う腰痛そのものは、手術を行っても残ることがあります。また、神経の圧迫が長期間続いていた場合には、圧迫を取り除いてもしびれが完全には戻らないことがあります。

費用(健康保険・高額療養費)

腰椎固定術には健康保険が適用されます。自己負担が高額になった場合は高額療養費制度により、年齢や所得に応じた限度額を超えた分が払い戻されます。あらかじめ限度額適用認定証をご用意いただくと、窓口でのお支払いを限度額までにとどめられます。金額の目安は受診時にご説明します。

当院の診療体制

長岡京病院 脊椎センターでは、日本整形外科学会認定 整形外科専門医の秋山 典宏 医師が診療を担当しています。外来は火曜・金曜の午前です。除圧術・固定術のほか、他院で手術を受けた方の再手術まで対応しています。当院は入院設備を備えています。

対応エリア

長岡京病院 脊椎センターには、長岡京市・向日市・大山崎町(乙訓地域)のほか、京都市や大阪府北部からもご来院いただいています。阪急「長岡天神」駅から徒歩約5分です。他院で固定術をすすめられて迷っている方も、どうぞご受診・ご相談ください。

受診の流れ・アクセス

  1. ご予約完全予約制です。ご来院前に必ずお電話でご予約ください。他院の紹介状・画像(MRI等)をお持ちの方はご持参ください
  2. 診察・検査:問診と神経学的診察のうえで、前屈・後屈を含むレントゲンとCTにより、ぐらつきの有無と骨の状態を確認します
  3. 治療方針のご説明:保存療法・除圧術・固定術それぞれの見通しをご説明し、一緒に方針を決めます
病院名 医療法人総心会 長岡京病院
住所 〒617-0824 京都府長岡京市天神1丁目20-10
アクセス 阪急京都線「長岡天神」駅から徒歩約5分
診察日 火曜・金曜 午前9:00〜12:00(受付開始8:00)/担当:秋山 典宏 医師

よくある質問

Q. 固定すると腰は動かなくなりますか。
固定した範囲の分だけ反り・曲げの動きは制限されますが、腰全体が動かなくなるわけではありません。固定する範囲は必要最小限にとどめます。
Q. 入れた金属は抜く必要がありますか。
骨がつながったあとも、多くの場合はそのままにします。金属が症状の原因になっている場合には、抜去を検討することがあります。
Q. 一度固定術を受けたあと、また手術が必要になることはありますか。
固定した部分の隣に負担が集中して新たな症状が出ること(隣接椎間障害)があり、その場合は固定範囲を延長する手術を検討します。当院では他院で手術を受けた方の再手術も行っています。