「ブロック注射(神経ブロック注射)を受けても、しばらくするとまた痛くなる」「何回か注射をしたが、よくならない」——そんなお悩みはありませんか。このページでは、注射が効かないときに考えられることと、手術を検討する目安をご説明します。長岡京病院 脊椎センター(京都・長岡京)は、脊椎の手術治療を行う病院です。当院では神経ブロック注射は行っておらず、注射などの保存療法を続けても改善しない方の、手術適応の診断・ご相談に対応しています。
脊椎センター 担当医:秋山 典宏(脊椎センター長)
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
脊椎手術の執刀件数:約1,700件(2013年10月〜2026年9月・前職を含む)
脊椎センターの診察日:月曜・火曜・金曜 午前9:00〜12:00(完全予約制)
ブロック注射で痛みがやわらぐ仕組み
神経ブロック注射は、痛みの原因となっている神経の働きを抑えることで、痛みをやわらげる治療です(出典1)。腰部脊柱管狭窄症では、手術以外の治療(保存療法)は薬・運動・注射(ブロック)が主体とされており、これらの治療で症状が改善することもあります(出典2)。
一方で、保存療法は症状をやわらげることを目的とした治療です。たとえば腰部脊柱管狭窄症では、狭くなった脊柱管そのものを広げるものではありません。
注射が効かない・すぐ戻るときに考えられること
- 神経の圧迫がもとの場所に残っている:脊柱管の狭窄や椎間板ヘルニアなど、神経を圧迫している構造そのものは、注射では変わりません。注射で痛みが一時的にやわらいでも、痛みやしびれが繰り返し現れることがあります。
- 痛みの原因が、想定されていた病気と別にある:腰や足の痛みの原因はひとつとは限りません。たとえば背骨の圧迫骨折は、受傷して間もない時期にはレントゲンに写らないことがあります。原因が別にある場合は、その原因に応じた診断・治療が必要です。
- 我慢を続けるうちに、生活への支障が大きくなっている:足の痛みによる歩行障害が進行したり、排尿・排便の障害が現れたりして日常生活への支障が大きい場合には、手術で神経の圧迫を取り除くことが検討されます(出典2)。
手術を検討する目安
次のような場合は、保存療法を続けるだけでなく、手術が選択肢に入る段階と考えられます。
- 十分な期間、注射や薬などの保存療法を行ったが、痛みやしびれが改善せず、生活や仕事に支障が続いている
- 足の筋力低下(麻痺)が現れている、または進行している
- 排尿・排便の障害がある(この場合は早めの受診をおすすめします)
- 歩ける距離が短くなってきている
保存療法を続けるか手術に進むかは、症状の程度・経過・画像所見・生活や仕事の状況を踏まえ、患者さんと一緒に決めていくものです。「注射が効かない」と感じた時点で、脊椎を専門とする医師の診断を一度受けて、今後の見通しを確認しておくことも選択肢のひとつです。
病気別の治療について
痛みの原因となっている病気ごとの治療法は、それぞれの解説ページをご覧ください。
- 腰部脊柱管狭窄症の治療・手術(お尻から足のしびれ・間欠性跛行)
- 腰椎椎間板ヘルニアの治療・手術(足への強い痛み)
- 腰椎すべり症の治療・手術(骨のずれによる痛み・しびれ)
- 圧迫骨折の治療・手術(背中・腰の痛み)
- 頚椎症性脊髄症の治療・手術(首から手のしびれ・箸が使いにくい)
- 脊柱管狭窄症の再手術(手術をしたのに痛みが治らない方)
当院でできること・受診のご案内
長岡京病院 脊椎センターでは、脊椎を専門とする医師が診断を担当します。診察では、問診や神経学的診察に加え、必要に応じてレントゲン・CTなどの検査を行い、他院で撮影されたMRIなどの画像もあわせて評価したうえで、治療の選択肢をご説明します。手術以外の選択肢も含めて今後の方針をご説明しますので、「すぐに手術を勧められるのでは」とご心配な方も、まずはご相談ください。
当院では神経ブロック注射は行っていません。注射による治療の継続をご希望の場合は、現在おかかりの医療機関にご相談ください。当院がお手伝いできるのは、痛みの原因の診断と、手術を含めた今後の方針のご提案です。
他院で保存療法を続けていても痛み・しびれが改善しない方は、手術の適応かどうかの診断からご相談いただけます(セカンドオピニオンにも対応しています)。脊椎外科外来は完全予約制です。他院で撮影された画像(レントゲン・CT・MRI等)や紹介状をお持ちの方は、受診時にご持参ください。
よくある質問
- Q. ブロック注射が効かないのは、もう治らないということですか。
- そうとは限りません。注射を含む保存療法で改善しない場合でも、原因に応じて手術で神経の圧迫を取り除く方法があります。まずは診察と画像検査で、痛みの原因を確認することが第一歩です。
- Q. いま注射を受けている病院があるのですが、相談に行ってもよいですか。
- はい。他院で治療中の方のご相談にも対応しています(セカンドオピニオンも可能です)。これまでの画像や治療内容がわかる書類をお持ちいただくと、経過を踏まえて評価できます。お手元にない場合も、まずはご相談ください。
- Q. 手術をすれば、痛みは必ず取れますか。
- 手術は神経の圧迫を取り除くことで症状の改善を目指す治療ですが、すべての痛みが必ず取れるとお約束できるものではありません。診察のうえ、改善が見込めることと、残る可能性のあることをご説明します。診察の結果、手術をお勧めしないという結論になることもあります。
出典
- 出典1 日本ペインクリニック学会「ペインクリニックのご案内」(学会パンフレット)
- 出典2 日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会 監修 パンフレット「腰部脊柱管狭窄症」(2024年12月作成)